2010年12月4日

誰がリークをしたのか? #wikileaks #cablegate



Tassaがウィキリークスについて知ったのは、2年前です。

そのときは、オーストラリアが、児童ポルノ規制の名の元にネット上での検閲をしているというリークでした。ブロックされたサイト一覧もアップされました。(なぜか歯医者のHPまで入っていた…)
その後、中国の検閲サイトに関するリークもありました。
グアンタナモ収容所の問題が発覚したのもウィキリークスが発端なのです!

いろいろすごいリークがあって、そのうちすごいことになるとは思ってたら、アフガニスタン戦争の機密文書が出て「ついに、ここまで!」と驚きました。

アフガニスタンとイラクの戦争機密文書、そして今回の外交公電。
この3つが、今年の3大リークなのですが、どうやら全ての流出が同一人物の手によって行われたんだとか。

一体誰がリークしたのでしょう?

ウィキリークスでは、元のドキュメントは暗号化され、世界中のPCを経由してサーバーにたどりつきます。そしてまた世界に分散しているハッカーが暗号を解いてドキュメントを読めるようにするらしいです(Tassaはパソコンに詳しいわけではないです…)。

何が言いたいかというと、ウィキリークスでさえ、漏洩者の断定は難しいということです。

でも、さすがアメリカ合衆国。
今回の漏洩者の目星はかなり前からつけていました。
23歳のBradley Manning(ブラッディー・マニング)陸軍上等兵です。

アフガニスタン文書流出のもっと前、今年の5月に彼はクウェートで拘束されました。
2007年のロイター社バグダッド支局に務めていた記者の殺害は、米軍のヘリコプター『アパッチ(Apache)』による銃撃のためだった、という証拠ビデオを流出させたからです。
(そのビデオはyoutubeで見れます。オリジナルはSafety ModeとかになってるのでRT(前Russia Today)からのニュース映像↓)

通報者は彼とチャットをしていたハッカー、Adrian Lamoという人なんだとか。
その時のチャットをガーディアンで紹介しています。
 

"I would come in with music on a CD-RW labelled with something like 'Lady Gaga' … erase the music … then write a compressed split file. No one suspected a thing ... [I] listened and lip-synched to Lady Gaga's Telephone while exfiltrating possibly the largest data spillage in American history." He said that he "had unprecedented access to classified networks 14 hours a day 7 days a week for 8 months".
「「レディ・ガガ」って名前が貼ってあるCD-RWを持って入るところだったんだ(…)音楽は消去して(…)圧縮スプリットファイルを書いた。誰にも怪しまれなかった(…)アメリカ史上最大規模かもしれないデータ流出の最中に、(ぼくは)レディ・ガガのTelephoneなんかを聴いてたんだ。」
彼は言った、「8ヶ月間、機密ネットワークには週7日、1日14時間もの想像に及ばないほどのアクセスができた。」

Manning told his correspondent Adrian Lamo, who subsequently denounced him to the authorities: "Hillary Clinton and several thousand diplomats around the world are going to have a heart attack when they wake up one morning and find an entire repository of classified foreign policy is available, in searchable format, to the public ... Everywhere there's a US post, there's a diplomatic scandal that will be revealed. Worldwide anarchy in CSV format ... It's beautiful, and horrifying."
後にマニングを当局に通報したエイドリアン・ラモに、マニングは言った。
「ヒラリー・クリントンや世界中の何千っていう外交官が、ある朝目が覚めて、外交機密文書がまとめて検索可能で誰もが読むことができるようになってるなんて知ったら、心臓発作を起こすだろうね。…アメリカ中の新聞は、公開された外交スキャンダルだらけになるだろうね。CSVフォーマットにおける世界規模の無政府状態(…)すばらしいし、ぞっとするよ。」


He added: "Information should be free. It belongs in the public domain."
彼はそしてこうも言った、「情報は自由であるべきだ。情報は公共の領域にあるものだ」と。

***
そのマニング氏に、今週火曜日、懲役52(!)が求刑されたそうです。

拘束もすでに200日に迫ろうとしています。

日本でも少しだけ、マニング氏について報道されています。

アサンジ氏が注目を浴びていますが、漏洩者なしにウィキリークスは成り立たない、ということはアサンジ氏自身も認めています↓

 
(「リークした人こそ讃えられるべきでは?」という質問に)
「過去4年間で我々が目標にしてきたことは、ほぼ全てのジャーナリズム的暴露に伴う危険をおかしてくれた情報提供者の社会的地位を高めることだった。こうした人の努力なしには、ジャーナリストなんて立ち行かない。」
For the past four years one of our goals has been to lionise the source who take the real risks in nearly every journalistic disclosure and without whose efforts, journalists would be nothing.

さらに彼はこう続けた。
「もし本当に、国防総省が言っているように、例の若い兵士、ブラッドリー・マニングが最近のリーク公開に一役買っているんだとすれば、彼はまちがいなく無類の英雄だよ。」
If indeed it is the case, as alleged by the Pentagon, that the young soldier - Bradley Manning - is behind some of our recent disclosures, then he is without doubt an unparalleled hero.

 ブラッドリー・ マニング氏


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