東京発の公電はいまだゼロ。
偏向報道(spin)などによるネガティブキャンペーンに加えて、露骨な圧力のかけ方もしてきましたね。
たとえば→No job if you link to WikiLeaks, warns Columbia
以下の公電は、一応「日本(JA)」のタグがついているのですが、
おもに韓国も北朝鮮もアメリカに不満がある、みたいな話です。
2005年と言えば、北朝鮮が核拡散防止条約 (NPT) からの脱退、さらに核兵器保有宣言を行った年です。
参照用ID: 05LONDON4981
作成: 2005-06-15 10:10
公開: 2010-11-29 21:09
分類: CONFIDENTIAL//NOFORN
発信元: ロンドン大使館
要約
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¶1. (C)6月10日、ミトロプロス(Efthimios Mitropoulos)国際海事機関(IMO)事務局長は先週の朝鮮半島視察について、エストフ(ESTOff)に報告した。彼の到着前にも、北朝鮮は次のようなことを言ってきた。IMOが南北海事協力の強化に尽力してくれたことは高く評価されている、だが「正しい時期ではなかった。」と。それよりも、北で言われたことのほとんどが、六ヶ国協議に対する現在の見通しや、北朝鮮の米国との関係についてであった。ミトロプロスは、駐ロンドン北朝鮮大使と今日会ってきたと言い、その会合の機密メモをエストフに渡した(6を参照)。要約終わり。
ソウルにて - 北へのメッセージ
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¶2. (C)6月10日、ミトロプロス(Efthimios Mitropoulos)国際海事機関(IMO)事務局長は先週の朝鮮半島視察について、エストフ(ESTOff)に報告した。ミトロプロスは韓国での滞在について話す時間はほとんどなく、次のことだけしか言わなかった ー 大統領と外務大臣との会談では、海事強力の強化を北にさらに呼びかけるように頼まれ、また日本に寄港している北朝鮮船の対偶に関して韓国が懸念しているということを伝えるようにも頼まれた。また海洋水産部副大臣は、北朝鮮に友好のメッセージを伝えてくれるようミトロプロスに頼み、二国間海事合意書に共同漁業活動、または計画の文面を盛り込むことを示唆した。しかし、ミトロプロスがロンドンを発つ前に、すでにロンドンの北朝鮮大使はIMOの提案を平壌に伝えてあったことをミトロプロスは言った。北朝鮮は、IMOの申し出は歓迎するが、太陽政策の文脈上、IMOの提案する協同事業領域を実現するための「正しい時期ではなかった」と回答した。(公電にて、ミトロプロスはIMOが以下の領域で援助を行うことを提案した:1)捜索及び救助活動の協力、 2)主要な汚染事故に対する共同責任及び対応 3) 海上隊員の訓練を含む技術的な協力、4)2ヶ国間の海上交通における協力)
¶3. (C) 韓国外相も、北との協力強化に対するIMOの尽力の感謝の意を述べた。外相はミトロプロスに対し、「六ヶ国協議に戻ってくれ、というのが南からのメッセージだ」ということを北に伝えてほしいと頼んだ。外相いわく、北が参加すれば、すぐに核計画は廃止され、国際エネルギー機関(IEA)に承認されるだろう。また食糧、エネルギー、安全は保障され、我々は海事合意書を実効化できる、とのこと。さらに外務副大臣は、これらの条件が合わされば「これらの計画を実施するための基金設立も可能となる」、と述べた。外務副大臣は、南は米国からの圧力を感じている、とも言った。米国は、北が協議に戻るまでは、韓国に何もやらせないようにしている、と副大臣。韓国大統領は、ワシントンでのブッシュ大統領との会談の際、自分は難しい立ち位置にあるということが分かるだろう、と副大臣は言った。なので、ワシントン訪問で、韓国大統領が北からの良い兆候があるという報告ができると助かります、ということをミトロプロスが北に伝えるのがいいのであろう。
平壌にて - 米国へのメッセージ
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¶4. (C)ミトロプロスは、北京経由で北朝鮮に行き、外務副大臣と「最高人民会議常任委員会の委員長」と会談した。委員長はミトロプロスに、南との関係改善の試みはことごとく「外部性力」(つまり、アメリカ)によって潰されてしまっている、と言った。北は「協議、協力、和解」の理念を忠実に守ろうとしているのに、米国と同国の核問題に対する態度がそれをダメにしている、と委員長は言った。例えば、南は北に肥料50万トンを送る約束をしたが、アメリカの介入で結局送ってきたのは20万トンだった、と彼は言った。北は核計画を段階的に廃止したいと思っている、ただし話し合いを通してである。なぜならアメリカは核兵器でもって直接北を脅しているからだ、と彼は言った。Xxxxx アメリカは北と2ヶ国間の協議に入ることで誠意を見せるべきだ、と彼は言った。チェイニー副大統領の発言は中傷的で、[この発言で]アメリカが協議を平和裏に進める意志がないということがはっきりした、とも彼は言った。「あなたがアメリカの友人に会うのなら」、彼は言った「どうかこのメッセージを伝えてください ー アメリカは誠心誠意この問題を解決をしてください、と。」我々が核計画を廃止してから彼らが援助を与える、という現在のアメリカの提案はフェアではない。[廃止と援助の]両方が同時に「信頼のもと」行わなければならない、と委員長は述べた。ミトロプロスは、米国の立場をやや違った形でとらえている、と反論した。さらに、もし北がアメリカを信用しないのであれば、2ヵ国間での話し合いよりも六ヶ国協議の枠組みで進めた方がいいのではないだろうか、とミトロプロスは言った。(六ヶ国協議なら)どこかの国が約束を守らなければ、アメリカだけでなく北朝鮮の近隣国全員が交渉の席につくだろう。
印象
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¶5. (C) ミトロプロスいわく、北にはほとんど何の期待もなかったのだが、北京発のボロボロのロシア製の旅客機で見た光景には非常に驚いたそうだ。飛行機の乗客率は80%くらいだったのだが、乗客の半分以上がイラン人だったというのだ。彼は、「北朝鮮へ行く飛行機がイラン人で満杯だってのに、核計画が脅威ではないって欧米に信じてもらえるなんて、なんであいつらはそんな[信じているなんて]期待ができるんだ?」と言った。ミトロプロスには、他の客は誰もいない、寝室が8部屋もある巨大な迎賓館があてがわれた。114チャンネル専用の今風のテレビもあったー ただし見れたのは国営チャンネルだけだった。彼が飛行機から降りてくると、一団に出迎えられた。そこには花を持った政府高官たちもいた。その花はミトロプロスが偉大な指導者[金日成]に「献花をしたい」だろうから用意されていた。着いたばかりで何もできないので、やるしかないと思い、ミトロプロスはTVカメラが回っている前で、金日成の銅像に花輪を置いた。すると今度は、偉大な指導者に何か贈り物をもってきていないか尋ねられた。ミトロプロス側のスタッフが、贈り物は持っていかないからということをはっきりさせておいたはずなのに。彼が港湾施設を訪れた時、この訪問のための特別な準備は何もなかったんだろうと感じたという。港湾警備体制の視察の際には、彼を護衛するような港湾警備局長も不在であった。
ミトロプロス氏
金日成像
公電5は、正直、面白かったです。
6に彼のメモがあります。興味のある方は原文をお読みになってください♪
日本に関するリークが出てこないので、ガーディアン紙でも訳そうかなあ…
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