2011年1月6日

便利なサイトいろいろ(リーカー向け)#cablegate #wl_jp

ウィキリークスを含めたいろんな告発サイトを読み、その情報を広める人たちをリーカーと私は勝手に呼んでいます。
(漏洩者/告発者はSourceだから、間違いではないかと…)

そんなリーカーに便利なサイトを今日はご紹介。

まずはCable Search
Googleアラートを使って、例えばWikiLeaksのサイトとJAとかJapanなどのキーワードを設定すると、キーワードが含まれた公電がアップされた際に通知メールが届きます。
これはこれで便利なのですが、実は検索があまり正確でない。見落としがあるのです。
でも、Cable Searchはかなり正確。
重要度が分かる格付けシステム付きだし(ただし日本関連の公電はほとんど評価されてないです)。
でも正確過ぎるという難点も。例えば、Japanが本文に入っている公電が全部出てくるので、そこまで関係ないブラジリアやマドリッドからの公電もヒットしてしまう。
ちなみにこのサイトは、Eccar(European Centre for Computer Assisted Research/コンピューターによる調査のための欧州センター)とVVOJ(オランダ-フラマン語圏の調査報道ジャーナリスト連合)のコラボだそうです。

次ににも言及したCable Tags
ほとんどのタグや本文内の略語の正式名称が、ここでカバーされているようです。

3つ目はPrivet Bank
Tassaはスウェーデンの犬ですが、こちらはウクライナの猫によるサイト。(ページの一番下までスクロールすると、今日のミルクを得るためにキーボードの上で頑張る猫の同志がいます。)
Crypto, Covert, Cy, Spanky, Cyndiという名前の5匹の猫だそうです。

由来はこちら→Crypto cat(NSAのサイトへジャンプ)

WikiLeaksからアップされた公電が、実は削除されたり編集されているということにお気づきでしょうか?ざっと見た感じ、個人名を匿名にしたとか、そういう変更が多いようです。
そんな削除された公電や編集前の公電も保存&公開&比較しちゃってるのがこのサイト。
このサイトの一番の利点は、Aftenposten紙やGuardian紙などが独自公開した公電もチェックでるということです。現時点でそういった「非公式」公電は300以上あります。
このサイト、もともとは銀行関連のリークをしているサイト。
ウクライナ最大のPrivat Bankにちなんで、Privet Bankというサイト名にしたと思われます。
(Privetはロシア語で「こんちは!」とか「やあ!」、英語で言えば「Hi!」の意味。Privet Bankは「やあ、銀行」となる。ちなみにウクライナでは東部ではロシア語、西部ではウクライナ語が使われることが多い。)

最近、飽きてきた猫たちは新しい遊びを始めたそうです↓
Talking Cats Play Pattycake(Youtube) 

4つ目はDazzelpod
これもPrivet Banksと同じく、公電のすべてのヴァージョン(編集過程)が分かるようになっています。例えば、同じ文書番号でも#1、#2と異なるヴァージョンがある公電もあります。こちらの方が、見やすいです。
ただしこちらはWikiLeaksがアップした「公式」公電しか見れません。

5つ目はKABELS
こちらも公電検索エンジン。
オープン·ソースで早い、見やすい、安全(全般的にSSLで、ログやトラッキングの記録は残らない)!

6つ目は翻訳コラボ·サイトCrowd leak
ハクティビスト集団AnonymousによるOperation leakspin作戦の進化型。
Operation leakspinは公電リークへ世間の注目を集めるための作戦の総称で、公電の翻訳·分析·要約などを呼びかけていました。(公電翻訳をしているTassaも知らず知らずに作戦に参加していたということに!)
この翻訳&要約をもっと洗練された形にしたのがCrowd leak。独自の記事もあります。写真付きで見やすい!
でも、最終更新が1月3日なのが気になる…。
サイト名はCrowdjournalism(Crowdsourced journalism)にちなんでいます。

誰もがニュース/知識の創造に参加、修正ができる、草の根ジャーナリズムの流れの一環。権力や企業寄りのバイアスが少ないという点が利点だと主張しています

ちなみにLeakspinは、ロイツマガールの別称リークスピン(Leekspin/長ネギスピン)をもじったものだそうです。リークスピンはフィンランドの民謡とアニメ『BLEACH』の映像を組み合わせたフラッシュ動画らしいです。Anonymous、幅広いな…。

他の犬猫も頑張ってるのだねぇ…

2011年1月4日

日本に関するリーク 〜その6〜 #10CANBERRA93 #cablegate #wikileaks #wl_jp

Gått nytt år!
あけましておめでとうございます。

年が明けて日本関連の公電がアップされました。

捕鯨関連の公電5件です。
3件は東京発、1件はワシントン発、そしてほとんどの大手メディアが見落としたと思われるキャンベラ発の1件。
キャンベラからの公電は、以前にもご紹介したTokyo Digital Journalismで指摘がありました↓

The fifth leak on whaling

東京発の公電の大まかな内容については大手メディアも報道しており(例えばWSJはまとまってたし、シーシェパードからコメントも取っている良記事)、またウィキリークス・ウォッチ・ジャパンでも公電冒頭の要約部分が邦訳されているので、そちらを参照してください。

こちらでは、キャンベラ発の10CANBERRA93の冒頭要約部分と日本に言及のあるパラグラフ2と3の一部を訳しました。

***
作成日:2010-02-05
機密度:CONFIDENTIAL//NOFORN

1.(C/NF)要約:ピーター·ギャレット環境·遺産·芸術大臣は、2月4日、コーラルトライアングル・イニシアティブ(CTI)と南極地方の保全·軍事兵站、そしてBleich大使との現在の捕鯨関連交渉において、アメリカとの協力関係強化を話題にした。ギャレットは、オーストラリアが捕鯨に関する現在[提示されている]の協定を受け入れることはできないだろう、と考えている。また、アメリカとオーストラリアは、CTI最重要援助国として、CTIの下で良い結果を出す努力をもっとしなければならない、ともギャレットは感じている。ギャレットは、オーストラリアから南極への飛行便の開始を強調し、S氏か議会議員を入れての[南極]訪問に関心を示した。彼はまた、国際生物多様性年におけるアメリカから出てきているイニシアティブに関するさらなる議論にも関心を示した。

2.(C/NF)ギャレットはBleich大使に、捕鯨に関する米豪間の「ありのままの[robust]」やり取りに感謝しており、彼も率直に話せる気分になる、と語った。ギャレットの考えでは、国際捕鯨委員会(IWC)と関連団体で交渉されている現在の協定は、最終的にはオーストラリア政府に受け入れられることはないだろう言った。いくつかの領域で協定は足りないところがあるからだ。ギャレットは交渉過程はほぼ停止しており、「本当の」提案は何も上がっていない、と言った。オーストラリア議会で話し合われている法案(今年の捕鯨シーズンに向けて日本が計画している「スパイ飛行」の役割を吟味するよう、2月4日緑の党[Green Party]が提案した)は、オーストラリアでの反捕鯨感情を強め、政府が現在の提案を受け入れるのは難しくなるだろう、とギャレットは言った。彼はまたこうも言った、2月22日のIWCの小作業部会ブリーフィング[説明会]はNGOや国際社会に対し議論の状況への注意を換気することになるだろうが、これは交渉上、オーストラリアの政策にとって重要だろう、と。

3.(C/NF)[前略]…[外務貿易省(DFAT)大臣の]Wattはさらに言った。現在の評価として、日本の岡田外務大臣の訪問日程は2月22日のNGOへの説明会に近過ぎるので、日本政府と込み入った話をする機会は得られないだろう、と。
***

「スパイ飛行」とは、日本がオーストラリアの飛行機をチャーターして反捕鯨団体を監視することです。
この事実が発覚して、スパイ飛行を禁止する新たな法律の提案が出されたそう。

WSJでも取り上げています(英語)。
WikiLeaks Japan: Japanese ‘Spy Flights’ Pressure Whaling Deals 

[追記]
その記事の日本語訳も出ました!
日本の反捕鯨船偵察飛行で対日感情悪化-ウィキリークス