2010年12月13日

Googleの良心 ~ transparency report ~

WikiLeaksと少し話はそれますが、ネット上の検閲の話です。

ご存知の方も多いと思いますが、GoogleではTransparency Reportというのを公開しています。

Government Requestsは政府からの削除要請を示し、

Trafficは正常値を100とした場合の実際の通信量を示しています。

もちろん、技術上100になることは難しいです。でも極端に低いのは何らかの人為的な介入があると見る方が自然です。

これを見ると、中国は開き直って検閲しているけれど、それに対し、多くの「民主国家」もまた実は検閲をしているのが分かります。

Trafficを見ると、日本でもかなり不自然な下がり方をしています。

また、Government Requests、アメリカが最多です。
(ロシアなんかが低いのははわざわざ公式な要請をしなくとも削除ができるからという見方もできますが…)

もちろん、筋の通った(reasonable、な)削除要請もあると思います。
また、これはGoogleからの情報で、情報が偏ってないかとか、他の検索エンジンではどういう結果になるのかとかも考慮しなければいけません。Google自身もこの統計は完全ではない、と言明しています。


ただ、私はこれがGoogleの良心であり、経営精神なのだと感じました。
グラフは曖昧な感じだし、本当はもっとデータを出していいような気もしますが、それでもこういった情報がある、ということ公開していることはすごく大事です。

Google自身、Traffic FAQでその意義を説明しています:

We believe that this raw data will give people insight into whether or not our services are accessible in a given country at a given time.
 (この生のデータを示すことで、私たちのサービスがどの国でいつアクセス可能であるのか、そうでないのかについての見識を持っていただけると思います。)

中国は「社会の和」のためということで検閲を正当化。
(Blogger、You tube、facebook、そしてなんとウィキぺディアまで全面禁止。Twitterは初めから存在しない。)

アメリカなどの「民主国家」が「言論の自由」があると表面上は言いながら、検閲をする。 日本でも「反戦」「スペクタクル社会」の落書きに対し、「建造物損壊」で懲役1年2カ月、執行猶予3年の判決が出たりしてますし…。


どっちがいいなんて、もはや無意味な議論なのかもしれません。
(無論、規模で言ったら中国の公式&非公式の検閲は他国の比にならないことは確かですが)

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