2010年12月7日

ウィキリークス応援団 #wikileaks


ウィキリークスを締め上げる国家、銀行、企業がいる一方で(ウィキリークス包囲網)、ウィキリークスを支援する人たち世界中にたくさんいる。 


記事では、「支援者がいることもある」だなんて不自然な日本語になってるのが、記者の微妙な立場まで想像されてしまうのだけれど。

GuardianSpiegelLe Monde、El Paísといったリーク内容を事前に得ていた新聞媒体、 国境なき記者団、欧州各国の海賊党Pirate Party)それにコピーサイトを作ってウィキリークスを増殖させている人たち(コピーサイトは現在700以上!)。公式な声明はリーク後に出してないみたいだけど、アムネスティ・インターナショナルからは2009年に(New Media部門)をもらっているし、スウェーデンのプロバイダー、Bahnhofは「純粋にビジネスのため」と言いながら、サービスを止めてない。前にも書いたダニエル・エルズバーグ氏のように(「沈黙と嘘」が命を奪う)、個人でウィキリークスを応援する人もたくさんいる。[追記:エルズバーグ氏は7人の賛同者とともに「WikiLeaksへの攻撃は私への攻撃と見なす!」といった旨の声明文を発表。]

その中でも強力な応援団、Anonymous(「匿名」)がすごい。
顔がばれないように、映画V・フォー・ヴェンデッタ』のあのマスクをつけていろんな活動をしてるらしい。そんな彼らの『アサンジ仇討ち作戦』声明は時代遅れをひと回り回ってもはや新しい。思わず日本語訳。

***
アサンジ仇討ち作戦
Operation Avenge Assange

「史上初の本格的情報戦争に参戦せよ。戦場はウィキリークスである。君たちは兵士だ。」
ジョン・ペリー・バーロウ
“The first serious infowar is now engaged. The field of battle is WikiLeaks. You are the troops.”
– John Perry Barlow


ジュリアン・アサンジは我々が大事にしているものすべてを神としている。彼は一貫して検閲を軽蔑し、検閲と闘ってきた。おそらく史上もっとも成功を収めた国際的なトロールであり、彼が恐れるものは何ひとつありゃしない(アメリカ政府でさえ)。Julian Assange deifies everything we hold dear. He despises and fights censorship constantly, is possibly the most successful international troll of all time, and isn't afraid of fucking anything (not even the US government).

今、ジュリアンは国際指名手配犯として第一級の注目を集めている。現実においてもヴァーチャルの領域でも、だ。世界中の政府がジュリアンの血を求め、政治家たちは最近のリークに激怒し、彼の祖国でさえ彼を狼の群れの中へ投げ捨てた。オンライン上で、ウィキリークスは大規模DDoS攻撃の的である。法律と、汚職にまみれた現職議員への徹底的な迎合による攻撃の的でもある。これらの攻撃がこの男の口を封じるかもしれない。
Now, Julian is the prime focus of a global manhunt, in both the physical and virtual realms. Governments across the world are baying for his blood, politicians are up in arm about his recent leak, and even his own country has abandoned him to the wolves. Online, WikiLeaks is a focus of mass DDoS attacks, legislation and downright pandering to the corrupt incumbents which would silence this man.

それゆえ、Anonymous(「匿名」)はジュリアンのために反撃する機会を得た。我々はすでにのしかかっている抑圧的な未来に対抗する機会を得た。我々は史上初の第一次情報戦争を戦う機会を得た。
Therefore, Anonymous has a chance to kick back for Julian. We have a chance to fight the oppresive future which looms ahead. We have a chance to fight in the first infowar ever fought.

1PayPal(ペイパル)は敵だ。DDoS攻撃が計画されているが、その一方でボイコット(不買運動)もする。友人や家族にもそうするよう促してくれ。
1. PayPal is the enemy. DDoS'es will be planned, but in the meantime, boycott everything. Encourage friends and family to do so as well.

2.現時点でリークされている公電をできる限り広めてくれ。リーク公電をハードドライブに保存し、CDにコピーしてばらまくんだ。最終目標は人間DNS(インターネットを完全にシャットダウンしない限り止められない)だ。
2. Spread the current leaked cables as much as possible. Save them to hard drives, distribute them on CD's, mirror them to websites and seed them on torrents. The end goal is a human DNS - something that can only be stopped by shutting off the entire internet.

3.タイム詩のパーソン・オブ・ザ・イヤーでジュリアン・アサンジに投票せよ。これは彼の運動そのものに与するわけではないが、必要なだけの人目を引くことにはなるだろう。(http://tinyurl.com/2wb7ju8)
3. Upvote Julian Assange for Times 2010 Person of the Year. While this might not aid his cause, it will get him much needed public exposure. (http://tinyurl.com/2wb7ju8)

4.声を上げろ!TwitterMySpaceFacebook、その他のソーシャル・ネット・ワーキングサイトは重要な情報配信のハブ[中心]だ。知り合いすべてが何が起こっているかを気づかせてくれ。たった1人でもいいから次に誰かに伝えるよう説得できたなら、それを毎日できたとしたら、情報は幾何級数的に広まるだろう。
4. Get vocal! Twitter, MySpace, Facebook and other social networking sites are crucial hubs of information distribution. Make sure everyone you know is aware of what is happening. If you can convince just one person to tell one other person every day, the spread of info will be exponential.

5.もしやる気があるなら、自分の国、地域に関する公電をプリントアウトしてばらまこう。バス停や駅、街灯に貼り付けよう。工夫して、人目を引くようにするべし。落書きでウィキリークスのサイトを宣伝するのも素晴らしいアイデアだ。
5. If you're up for it, print out cables which are relevant to your area and distribute them. Post them on bus stops, train stations, street lamps. Be creative and catch people's attention. Using graffiti to spread the WikiLeaks website is also a great idea.

6.地域の議員に、市町村長に、その他コンタクトをとれる政治家ならとにかく誰でも、不平を訴えよ。リークに関するコメントを求めよ。一字一句を記録、ないし録音すべし。
6. Complain to your local MP, mayor, or whichever political figure you can contact. Ask him for comments about the leaks. Record every word that is said.

7.抗議せよ!行進を計画せよ、嘆願書を出せ、行動せよ。数がとにかく物を言う。
7. Protest! Organise community marches, send around petitions, get active. This cannot happen without numbers.


要するに
抗議せよ
伝えろ
尋ねろ
戦え

TL; DR
Protest.
Inform.
Enquire.
Fight.




インターネットの未来はどうなるか分からない。
我々はAnonymous
我々は許さない。我々は忘れない。
我々に期待せよ。
The future of the internet hangs in the balance
We are Anonymous.
We do not forgive; we do not forget
Expect Us.
***

最後の4行はお決まりの文言らしい。
でも、こういうことをフツーの人がフツーにやってたりするから、面白いよな〜と思う。

「匿名」だからインターネットとの相性はよさそうです。
 

ウィキリークス包囲網 #wikileaks


[追記]
ペイパルが、口座閉鎖の際に政治的圧力があったことを公式に認めました。
PayPal admits US pressure over WikiLeaks account freeze

アサンジ 氏の逮捕に加え、ウィキリークスへの兵糧攻めが本格化してきた。

ペイパルに続き、スイス銀行が口座を閉鎖、ついにMaster CardVISAが送金サービスを停止した。ペイパルはもともと問題起こしてたし、銀行が口座凍結するっていうこともあるにはあった。でもVISAがサービスを停止したのは史上初めてだそうだ。AmazonEveryDNS同様、理由は「規約違反」。憲法でも法律でもはなく、彼ら民間企業の「規約」で寄付金が止められている。

スターリンが大粛正したのは、彼が懐疑的で臆病だったっていうのを聞いたことがあるけど、アメリカもウィキリークスが相当怖いのかもしれない。

勇気をくれたアサンジ氏の言葉 #wikileaks


[追記]
アサンジ氏が今朝9時30分にロンドンで警視庁により逮捕されました。氏はスウェーデン当局から婦女暴行及び強姦の容疑がかけられていました。
インターポールも国際手配の中でももっとも重い、Red notice(赤手配書; 身柄引き渡しを求めることができる)をアサンジ氏に出していました(強姦容疑でRed noticeが出るのは非常にまれ)。

WikiLeaksは、逮捕を非難しながらも、リークのアップロードは続けていくと発表。

Justice for Assangeは、1時半からWestminster Magistarte’s Courtでの抗議活動を呼びかけています。

ロンドンに知り合いの方がいたら教えてあげましょう!

[追記2]
アサンジ氏は逃げたこともしていないし、警察庁には自分で行ったのです。
逮捕前、彼の弁護士であるJennifer RobinsonDemocracy Now!に出演し、「身の危険があるので表に出ないようにしている。だが警察はいつでも弁護士を通じて彼とコンタクトがとれる。」といったことを述べています。

にもかかわらず、「国外逃亡の動機・可能性がある」と、アサンジ氏の保釈は認められませんでした。
英国も法治国家とは言えなくなってきたよ…。


 ***
ガーディアン紙で行われたアサンジ氏の一問一答の記事を、誰がリークをしたのか?」 で数日前にもちらっと引用した。


日本のメディアは、そこにあったUFO関連のリークもあるという発言を取り上げたくらいだった。もっと大事な質問があったのに、取り上げたのはそこ!?という感じで大いに落胆した。

元外交官からの質問や、ACTA(この法律、内容もそうですが作る過程にも相当問題あり。参照:『無名の一知財政策ウォッチャーの独言』)への言及があったりと非常に大事な情報があった。その中で、私に勇気をくれた言葉があった。その部分だけ原文と訳(かなり意訳)を以下に載せた。


***
tburgi:
欧米政府は、報道の自由を法的に保障するなどして、自分たちの道徳的権威を主張してきた。
ウィキリークスとあなた自身に対する法的な締め付けを行うことで、この主張には説得力がなくなるように思える。
(アメリカに好かれてる報道機関なんて守る必要があるだろうか?メディアとして認められ報道の自由を主張するのに、国から許可をもらわなければならないとしたら、欧米は権威主義体制と変わらなくなってしまう気がする。)
ウィキリークスを攻撃することで、欧米政府が道徳的権威を失うという見方に賛成ですか?
てか、そもそも欧米政府に道徳的権威なんてあったんでしょうか?
Tim Burgiバンクバー、カナダ



ジュリアン・アサンジ:
欧米は、契約やローン、株、銀行株といったものを張り巡らして、力関係を経済基盤に置いてきた。そういった環境で言論が「自由」であることは簡単だ。なぜなら政治的意志の変化なんてものが、こういった(経済的)基盤の変化につながることはほとんどないから。欧米の言論には、ほとんど権力に対する影響力がなくて、ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てる自由くらいしかない。中国のような国家では、検閲がすみずみまで行き渡っている。なぜなら言論がいまだに力を持っていて、権力はそれを恐れているからだ。検閲というものを考えるとき、支配体制の中で言論の力が持つ可能性を表す経済的なシグナルだと考えるべきなんだ。アメリカが我々を攻撃してきたことは、大きな希望でもある。言葉の力がこの経済包囲網を突き破ることができるかもしれないんだから。


tburgi:Western governments lay claim to moral authority in part from having legal guarantees for a free press.
Threats of legal sanction against Wikileaks and yourself seem to weaken this claim.
(What press needs to be protected except that which is unpopular to the State? If being state-sanctioned is the test for being a media organization, and therefore able to claim rights to press freedom, the situation appears to be the same in authoritarian regimes and the west.)
Do you agree that western governments risk losing moral authority by
attacking Wikileaks?
Do you believe western goverments have any moral authority to begin with?
Thanks,
Tim Burgi
Vancouver, Canada



Julian Assange:
The west has fiscalised its basic power relationships through a web of contracts, loans, shareholdings, bank holdings and so on. In such an environment it is easy for speech to be "free" because a change in political will rarely leads to any change in these basic instruments. Western speech, as something that rarely has any effect on power, is, like badgers and birds, free. In states like China, there is pervasive censorship, because speech still has power and power is scared of it. We should always look at censorship as an economic signal that reveals the potential power of speech in that jurisdiction. The attacks against us by the US point to a great hope, speech powerful enough to break the fiscal blockade.

***

アメリカは言葉の力を認めている、だからウィキリークスが恐い。
言葉の力はまだなんとか大丈夫なんじゃないか、そんなアサンジ氏の言葉は私がブログを続ける力になってます。


2010年12月6日

気候変動枠組み条約会議 #cablegate


京都議定書延長反対の日本に環境団体から非難の声、COP16
 (AFPBB News 2010年12月02日 19:14)

「メキシコのカンクン(Cancun)で開かれている国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で日本政府代表団が、京都議定書の延長に反対する方針を表明したことに対し、環境保護団体などから非難の声があがっている。」

フランスでもデモがあったりしたそうです。
鳩山政権の時にあれだけ言っておきながら…
でも、日本に決定権はありません。米中が賛成していれば、日本は反対なんてするわけないだろうし…。
ウィキリークスのことに集中しすぎて、大事なニュースを逃してしまわないよう気をつけねば。
人間の記者さんは忙しいと思うので、Tassaのブログはウィキリークスに特化したいと思います。

COPと言えば、前回のコペンハーゲンではすさまじいデモ&デモ弾圧がありました。
そのCOPで、アメリカは裏でいろんな工作活動をしていた、ということもリーク公電で明らかになっています↓

WikiLeaks cables reveal how US manipulated climate accord


日本語で読める記事もありました↓
COP15舞台裏の「妨害」、リーク公電がカンクンに落とす影

それからDemocracy Now!で、350.orgの創設者Bill McKibbenがコメントしています。
(英語のテキストが画像下で読めます)↓

Bill McKibben: WikiLeaks Cables Confirm U.S. "Bullying and Buying" of Countries during COP15 Was Worse than Realized

Tassaの勝手にWikiLeaks応援宣言/Tassa's personal WikiLeaks support declaration


「私がウィキリークスを応援せずにはいられない理由」

ウィキリークスを非難する際、主に2つの言い方があるようです。

ひとつはリーク内容は、「危険である」という主張。無実の人の命までも危険にさらす、というヒラリー・クリントンの声明もそれです。

もうひとつはリーク自体の価値を下げるやり方。「こんなの大した情報じゃないよ。」とか言うやつです。BBCのラジオなんかでもそんな意見を聞きました。

「危険だ」という主張はフェアな言い方ではありません。もしくはそう判断するのは時期尚早です。リークのせいで犠牲者が出た、という公式な発表はまだなされていません(アサンジ氏は、そうであったらもっとメディアと政府が騒いでいるはずだ、とTED talksで言っていました。)それどころか、アフガニスタン戦争機密文書のリークによる犠牲者はいなかった、という国防総省の公式発言もありました。もしかしたら起こるかもしれない犠牲を心配するより、今現在進行している国家が関与する虐殺、虐待に目を向けるべきです。今の世界にある多くの受難は、まちがいなく政治的な決定が引き起こしたものです。そしてACTAのような重要な事項が不当なやり方で決定されています。天災ではなく人災なのです。

「大したことない」という意見も正確ではありません。まず25万という膨大な量の電報を読み切ったわけではない、ということ。次に、重大なリーク内容を一部の専門家は知っていたとしても、ほとんどの人間が知らされてないことの方が多いわけです。アメリカの核がヨーロッパにあるとか、アメリカが自国領土の外で監視活動を行っていた、とか。その他もろもろ。

どちらの言い方も、「権力の視点」または「国家の視点」からの言い方のような気がします。それは、私たちの言論の自由がすでにどれだけ失われてしまったかを示していると思います。政治を語るとき、どれだけの私たち自身の語彙を使っているでしょうか。私たちは本当に「国益」について考えるべきなのでしょうか。(てか、公共の福祉っていう意味で「国益」を本当に考えてる政治家は少ないんじゃ…)「政治とカネ」って言っただけで、なんか批判した気分になってないでしょうか。親切に用意された権力の言葉、紋切り型の言葉を使わなければ政治討論ができないなんて、おかしなことになってます。思考と言語は切っても切り離せない。ジョージ・オーウェルの『1984』に出てくるニュースピークは象徴的です。私たちの生活のすみずみに関わってくる政治。それを語るのに新しい言葉が必要です。ニュースピークのような統治者が用意したものではなく、下から湧き上がってくるような言葉が。

リークされた公電は権力の言葉で書かれています。公電の内容を権力の言葉で議論してしまうのでは、リークされたことの意味が半減しています。

言論の自由に反対する人は誰もいないはず(と思いたい)。言論の自由がプライバシーだとか他の権利と衝突する場合、バランスをとらなきゃいけないというのは周知のこと。言論の自由より大事なことがあるっていうのももっとも。でも言葉もまた、その大事なことのためにある。だから言論の自由をまったく捨ててしまうなんてことはできない。親米か反米だとか、右か左か、保守か社会主義者かアナーキストとか、そんなの関係ない。
嘘とか捏造された情報でなく、正しい情報が議論(言論)には必要です。そりゃあ、いろんな意見を持った人がいて当然だけど、持ってる情報がそれぞれ違うのに、どうやって意見をひとつにまとめられるのさ?どうやって何かを解決できるのさ?

戦争で議論の的になるのは、犠牲者の数。その多寡でのみ個々の戦争について考えるのが正しいとは思わない。でも、その多寡でつまずくことも多い。戦場で、たった1人で死者の数を正確に数えることができる人間はいない。だから証言は重要で、イラクとアフガニスタンのWar Logsのリークがなければ、ここまで正確な数は出なかっただろう。

議論のための議論は終わりにしませんか。人間の手を通して書かれたものである限り、公電やWar Logsが絶対的な真実を物語っているとは言えないと思います。でも、リークのおかげで今までよりかは正しい情報は手に入った。ましな議論もできる。あとは世直し!

以上、私の勝手にWikiLeaks応援する宣言。

***
(The following is not an exact translation of the above Japanese text, but contains the major argument)

"The reason why I cannot help supporting WikiLeaks"

There seem to be two major ways of denouncing WikiLeaks.

One is to insist that the revealed information “endanger” lives of people including “innocent citizens.”
Another is to lower the value of the information itself, saying like “this is nothing new.”

The former is not fair to say, or at least too early to do. We haven't heard about any official report about how the leaks were practically dangerous. Instead Pentagon officially stated that the revelation of the classified Afghanistan war documents has not caused any victim so far, which was not really in the spotlight (ex. see articles of BBC and McClatchy). We must see the fact that the tremendous crimes, including murder and abuses of the innocent people, are committed, directly or indirectly, by nation states. Lots of suffering of the people are undoubtedly caused by the political decisions, some of which are made in an illegitimate way by a few persons (for instance, ACTA). That is no more natural disaster but clearly man-made.

The latter argument is also incorrect. First of all, we haven't made it to check all the cables yet. How can you judge the value of the leaks so early? Second, even if the insistence that some of the leaked facts were already familiar to experts, most of us were not well-informed about such things as U.S. nuclear weapons deployed in several European countries, U.S surveillance in foreign countries and so on.

Both attitudes – to regard the leaks as dangerous or as trivial – seem to me to represent “views of power” or “view of states”, which shows how deeply our freedom of speech has already been undermined. For, when narrating or discussing politics, we stopped, consciously or unconsciously, using our own words Do we really have to care about “koku-eki”, national interests, instead of caring about people? (and I don't think that so many politicians care about national interests in terms of the public good.) Don't we get satisfied by just saying the words “seiji to kane” (politics and money)? We cannot talk about the world without borrowing “power vocabulary” or political clichés, which are particularly provided for us. Thoughts and language are inseparable, which Newspeak in 1984 showed in a horrible way. It is important to obtain new words in order to talk about politics – related to all the aspects of our life.

The cables were written in the language of power. We would not be reflexive enough to understand the meaning of this revelation if we use the language of power for discussion.

Nobody, I hope, is against freedom of speech. Although there is such a common sense that freedom of speech sometimes needs to balance with other sorts of human rights, we can never completely dump it. We mustn't. It does not matter whether you are pro- or anti-America, right or left, a conservative or a socialist or an anarchist. Our discussions should be based on correct information, not on distorted nor fabricated one, so that the discussions can, in the end, lead to some solutions. Surely people have different political perspectives. But, without sharing the same information, how can we reach agreement?

How often the distracting interest about the number of war casualties hiders us from seeing more important things including those killed in wars themselves! To make the discussion further, it is the first step to know that number. In that sense, , the witness has great significance, since no single person can exactly count the bodies. Without War Logs, we would have never known so much about the wars.

It is time to stop debating for debates. We've got much better information to discuss things in a right way. This means that we'll find better ways of facing the world.


This is the Declaration of my personal support for WikiLeaks!


Twitter上で、「#WikiLeaks」が検閲されている


Twitterのトレンド機能で人気の話題が分かるようになっています。ウィキリークスは先週から話題独占、当然、トレンドでも1位のキーワード!

と、思いきや上位10位にも入っていない…。

これは意図的にキーワードから外されているのでは?利用者の関心が向かないようにしているのでは?

詳細な分析の結果、どうやらそのようだ、とまとめたブログがあります↓


同ブログによると、Twitter側は検閲ではなく、技術的な問題だ、などと弁明しています。
でも、まぬけなことにtrendistic.comというサイトでtwitter上のトレンドを調べると、#Wikileaksは最頻出単語。

例えば、11/28だけ見ると、世界中のtwitter上での話題の2%もが、#Wikileaksです。



もし、これが故意でないとしたら、トレンド機能には重大な欠陥があるということだ、と同ブロガーは述べています。

てか、実際SNSに私のwikileaksへのリツイートが反映されてないんだけど! 
関係ないツイートは反映されてるのに。
これも検閲?それとも単なるミス…?

2010年12月5日

自分のお金が引き出せない… #wikileaks

ウィキリークスへの送金業務、ペイパルが停止
(2010年12月5日22時25分  読売新聞)

記事には「送金業務の停止」って書いてあるけど、これって口座の凍結、つまり自分のとこにきた寄付金にアクセスできない、と。

自分のお金が引き出せない…
その決定をいち企業ができる…
私的所有を謳いながら、こういうこともしてしまう。
なんつー、ダブルスタンダード!

PayPalは前から問題ありで、気に入らない組織の口座凍結やってましたけどね。
(Wikipediaの同組織の記事、"Critiscism and limitation"にもちょこっと載ってます)

ちなみにガーディアン紙で、もしまだPayPalが使えたら、あなたは寄付をする?っていうアンケートをやってます(笑)↓
Would you be a WikiLeaks paypal?

リーク内容に触れたいのに、米国及び企業のやり方が露骨すぎて、書かざるをえない。。

個人的には米国の核200発がドイツ、ベルギー、オランダ、トルコ、イタリアに配置してあるっていうリークを見て、沖縄にもあるというリークも出てくるんじゃないかと気をもんでます。

ウィキリークス:米戦術核配備も暴露 オランダ、ベルギーに
(毎日新聞 2010/12/1)

2010年12月4日

ジュリアン・アサンジ 「なぜ世界にWikiLeaksが必要なのか」 #wikileaks

日本語で見れる、アサンジ氏のいい映像がありました。↓

http://www.ted.com/talks/lang/eng/julian_assange_why_the_world_needs_wikileaks.html

「subtitles available in」のところでJapaneseを選ぶと、日本語字幕が見れます。時間は20分弱。
ケニアの選挙や、アイスランドでの報道関連の法整備などで、実際にチェンジを起こしてきたことも語られています。

字幕翻訳の方Good job!

[追記]
アイスランドの法整備に関してはこちらの記事に詳しくあります↓

アイスランドを調査報道の聖地に ウィキリークス後押し
(asahi.com)

 [追記2]
字幕翻訳はプロの方の所業でした。道理でなめらか!

WikiLeaks のこと (『rún mo chroí』)

サーバーを遮断させたのは誰か? #cablegate

アメリカ政府の言論統制が日に日に露骨になってきていますね~。


どうやら、とりわけこの人がやっきになってウィキリークスを閉鎖しようとしているみたいです
↓ 



ガーディアン:
WikiLeaks fights to stay online after US company withdraws domain name


【一部抜粋、訳】

(前略)ジョー・リーバーマン上院国土安全保障委員会委員長は、今週はじめ、ウィキリークスを支援しているすべての組織は同組織との関係を「即刻終わらせる」よう指示した。

(略)

ジュリアン・アサンジは今朝、この状況展開は米国における「国家検閲の民営化」の一例であり、「深刻な問題だ」と言った。

「これらの攻撃が私たちのミッションを止めることはできない、だが、米国における法の支配というものについて警鐘を鳴らす必要がある。」と、彼は警告した。

(略)

昨日遅く、 データのビジュアル化を行っているTableau Software社 は、リーバーマン上院議員の要請で、ウィキリークス外交公電用のイメージ画像のひとつを削除した。

同社のブログでに、Elissa Fink はこう書いた、「当社のサーバーからデータを削除するという決断は、上院国土安全保障委員会委員長であるジョー・リーバーマン上院議員からの公共の要請に対応したものです。リーバーマン議員はウィキリークスをサーバー上で提供している組織に対し、同ウェブサイトとの関係を終了するよう呼びかけました。」

ロンドンに拠点を置く、アサンジ氏の代理人であるマークスティーブンス弁護士は、サイトのシャットダウン後、Twitterにこう書き込んだ
「 Wikileaksドメインを閉鎖させる圧力がかかったようだ 。」

「私はこれがeverydns[訳注:ウィキリークスにドメイン名を提供していた会社]自身によって行われたなんてこっとは、これっぽっちも信じていない。」と、スウェーデンのBitsec Consulting社のコンピュータセキュリティ専門家であるアンドレ・リカードソンは、ロイターに語った。

彼らに圧力がかかっていると思う、とリカードソン氏。この発言はおそらく米国当局について言っているのだ。


(略)

EveryDNS.netが言うには、[サイバー]攻撃は一週間続き、そのため同サイトはAmazonのより弾力性のあるEC2上で「クラウドコンピューティングサービス」を一時利用せざるをえなくなったのだが、この攻撃は「Everydns.netのインフラ(約50万のサイトにアクセスを可能にする)の安定性を脅かした。」とのこと。

ウィキリークスはサービス終了の24時間前に通告を受けており、「wikileaks.orgサイトのいかなるダウンも、別のドメインサービスプロバイダーを使わなかったサイト自身の問題である。」と、EveryDNSは言った。
[訳注:要するに、「24時間も時間があったら別のプロバイダーを探せるでしょ、サイトが見れないのはうちのミスじゃありません。」ということ]


(略)

木曜遅く、Amazonはブログで、政府の要請でデータを削除したという報道は「正確でない」と述べた。

Amazonいわく、

「[Amazon Webサービス]は、事前に顧客を選別することはありませんが、従うべきサービス規約というのがあります。

ウィキリークスはその規約に従っていませんでした。

違反は数ヶ所に及びました。

たとえば、規約には『利用者は、コンテンツのすべての権利を所有、もしくは管理していること、(…)供給コンテンツの使用がこのポリシーに違反せず、いかなる人や存在を傷つけるものではないことを示し、保証すること。』と明記してあります。

ウィキリークスがこの[公電の]機密内容の権利すべてを所有も管理もしていないことは明らかです。

さらに、ウィキリークスが掲載している25万点という膨大な量の機密文書が、罪のない人々を危険にさらさないよう細心の注意を払って編集されたとは思えない。」

そしてこう記してある
「企業や人が、合法的に自分のものでもないデータを大量に入手して保管し、他人を傷つけないための配慮もなく掲載し続けている場合、これはサービス規約に対する違反となる。こうした者たちはほかの場所で運用してもらわなければならない。」

しかし、コメンテーターが指摘しているように、Amazonは以前、アフガニスタンやイラクでの米国の戦争についてのデータが含まれているウィキリークスからの『戦争ログ(war log)』をのサーバー提供をしたという事実があり、今回のスタンスは過去の事実に矛盾している。


【訳終わり】

ウィキリークスはアマゾンに対し、
「[言論の自由を保障する]憲法修正第1条を守ることが嫌だというなら、本の販売などやめるべきだ。」

If Amazon are so uncomfortable with the first amendment, they should get out of the business of selling books.

http://twitter.com/#!/wikileaks/status/10073870316863488

それから、 先日書いたペンタゴンペーパーを流出したエルズバーグ氏が、Amazon不買運動を呼びかけているそうです!

http://www.antiwar.com/blog/2010/12/02/daniel-ellsberg-says-boycott-amazon/


ちなみに、一連の閉鎖問題に関する良い要約だ、とウィキリークス自身がほめていたサイト↓
Recap: WikiLeaks faces more heat in the wake of cablegate

(前文)「告発サイト・ウィキリークスにとって、長い1週間であった。AmazonやEveryDNSのせいでサイトをあっちこっちに移すようになって、問題は膨らむばかり。その一方で、政治的な問題や逮捕状をつきつけられている。真実は、危険で素晴らしいものとなるからだ。」



アサンジ氏が危惧している国家検閲の民営化ですが、
インターネットは今、ほぼ完全にアメリカに支配されています(って書くと、うさんくさい陰謀説みたいだけど)。

今回アメリカのAmazonだけでなく、スイスの「.ch」ドメインも削除されたという事実がそれを物語っています。

次回はそれについて少し。

※アマゾンのコメントの訳は以下の記事を参考にしました↓
http://japan.cnet.com/news/business/story/0,3800104746,20423682,00.htm

(でも主張はガーディアンと真逆)

誰がリークをしたのか? #wikileaks #cablegate



Tassaがウィキリークスについて知ったのは、2年前です。

そのときは、オーストラリアが、児童ポルノ規制の名の元にネット上での検閲をしているというリークでした。ブロックされたサイト一覧もアップされました。(なぜか歯医者のHPまで入っていた…)
その後、中国の検閲サイトに関するリークもありました。
グアンタナモ収容所の問題が発覚したのもウィキリークスが発端なのです!

いろいろすごいリークがあって、そのうちすごいことになるとは思ってたら、アフガニスタン戦争の機密文書が出て「ついに、ここまで!」と驚きました。

アフガニスタンとイラクの戦争機密文書、そして今回の外交公電。
この3つが、今年の3大リークなのですが、どうやら全ての流出が同一人物の手によって行われたんだとか。

一体誰がリークしたのでしょう?

ウィキリークスでは、元のドキュメントは暗号化され、世界中のPCを経由してサーバーにたどりつきます。そしてまた世界に分散しているハッカーが暗号を解いてドキュメントを読めるようにするらしいです(Tassaはパソコンに詳しいわけではないです…)。

何が言いたいかというと、ウィキリークスでさえ、漏洩者の断定は難しいということです。

でも、さすがアメリカ合衆国。
今回の漏洩者の目星はかなり前からつけていました。
23歳のBradley Manning(ブラッディー・マニング)陸軍上等兵です。

アフガニスタン文書流出のもっと前、今年の5月に彼はクウェートで拘束されました。
2007年のロイター社バグダッド支局に務めていた記者の殺害は、米軍のヘリコプター『アパッチ(Apache)』による銃撃のためだった、という証拠ビデオを流出させたからです。
(そのビデオはyoutubeで見れます。オリジナルはSafety ModeとかになってるのでRT(前Russia Today)からのニュース映像↓)

通報者は彼とチャットをしていたハッカー、Adrian Lamoという人なんだとか。
その時のチャットをガーディアンで紹介しています。
 

"I would come in with music on a CD-RW labelled with something like 'Lady Gaga' … erase the music … then write a compressed split file. No one suspected a thing ... [I] listened and lip-synched to Lady Gaga's Telephone while exfiltrating possibly the largest data spillage in American history." He said that he "had unprecedented access to classified networks 14 hours a day 7 days a week for 8 months".
「「レディ・ガガ」って名前が貼ってあるCD-RWを持って入るところだったんだ(…)音楽は消去して(…)圧縮スプリットファイルを書いた。誰にも怪しまれなかった(…)アメリカ史上最大規模かもしれないデータ流出の最中に、(ぼくは)レディ・ガガのTelephoneなんかを聴いてたんだ。」
彼は言った、「8ヶ月間、機密ネットワークには週7日、1日14時間もの想像に及ばないほどのアクセスができた。」

Manning told his correspondent Adrian Lamo, who subsequently denounced him to the authorities: "Hillary Clinton and several thousand diplomats around the world are going to have a heart attack when they wake up one morning and find an entire repository of classified foreign policy is available, in searchable format, to the public ... Everywhere there's a US post, there's a diplomatic scandal that will be revealed. Worldwide anarchy in CSV format ... It's beautiful, and horrifying."
後にマニングを当局に通報したエイドリアン・ラモに、マニングは言った。
「ヒラリー・クリントンや世界中の何千っていう外交官が、ある朝目が覚めて、外交機密文書がまとめて検索可能で誰もが読むことができるようになってるなんて知ったら、心臓発作を起こすだろうね。…アメリカ中の新聞は、公開された外交スキャンダルだらけになるだろうね。CSVフォーマットにおける世界規模の無政府状態(…)すばらしいし、ぞっとするよ。」


He added: "Information should be free. It belongs in the public domain."
彼はそしてこうも言った、「情報は自由であるべきだ。情報は公共の領域にあるものだ」と。

***
そのマニング氏に、今週火曜日、懲役52(!)が求刑されたそうです。

拘束もすでに200日に迫ろうとしています。

日本でも少しだけ、マニング氏について報道されています。

アサンジ氏が注目を浴びていますが、漏洩者なしにウィキリークスは成り立たない、ということはアサンジ氏自身も認めています↓

 
(「リークした人こそ讃えられるべきでは?」という質問に)
「過去4年間で我々が目標にしてきたことは、ほぼ全てのジャーナリズム的暴露に伴う危険をおかしてくれた情報提供者の社会的地位を高めることだった。こうした人の努力なしには、ジャーナリストなんて立ち行かない。」
For the past four years one of our goals has been to lionise the source who take the real risks in nearly every journalistic disclosure and without whose efforts, journalists would be nothing.

さらに彼はこう続けた。
「もし本当に、国防総省が言っているように、例の若い兵士、ブラッドリー・マニングが最近のリーク公開に一役買っているんだとすれば、彼はまちがいなく無類の英雄だよ。」
If indeed it is the case, as alleged by the Pentagon, that the young soldier - Bradley Manning - is behind some of our recent disclosures, then he is without doubt an unparalleled hero.

 ブラッドリー・ マニング氏


ロンドンより南北朝鮮視察について #05LONDON4981 #cablegate

なかなか日本のリークはあがってきません…。
東京発の公電はいまだゼロ。
偏向報道(spin)などによるネガティブキャンペーンに加えて、露骨な圧力のかけ方もしてきましたね。
たとえば→No job if you link to WikiLeaks, warns Columbia

以下の公電は、一応「日本(JA)」のタグがついているのですが、
おもに韓国も北朝鮮もアメリカに不満がある、みたいな話です。

2005年と言えば、北朝鮮が核拡散防止条約 (NPT) からの脱退、さらに核兵器保有宣言を行った年です。

 

参照用ID: 05LONDON4981
作成: 2005-06-15 10:10
公開: 2010-11-29 21:09
分類: CONFIDENTIAL//NOFORN
発信元: ロンドン大使館

要約
--------
¶1. C610日、ミトロプロス(Efthimios Mitropoulos)国際海事機関(IMO)事務局長は先週の朝鮮半島視察について、エストフ(ESTOff)に報告した。彼の到着前にも、北朝鮮は次のようなことを言ってきた。IMOが南北海事協力の強化に尽力してくれたことは高く評価されている、だが「正しい時期ではなかった。」と。それよりも、北で言われたことのほとんどが、六ヶ国協議に対する現在の見通しや、北朝鮮の米国との関係についてであった。ミトロプロスは、駐ロンドン北朝鮮大使と今日会ってきたと言い、その会合の機密メモをエストフに渡した(6を参照)。要約終わり。

ソウルにて - 北へのメッセージ
---------------------------------
¶2. C610日、ミトロプロス(Efthimios Mitropoulos)国際海事機関(IMO)事務局長は先週の朝鮮半島視察について、エストフ(ESTOff)に報告した。ミトロプロスは韓国での滞在について話す時間はほとんどなく、次のことだけしか言わなかった ー 大統領と外務大臣との会談では、海事強力の強化を北にさらに呼びかけるように頼まれ、また日本に寄港している北朝鮮船の対偶に関して韓国が懸念しているということを伝えるようにも頼まれた。また海洋水産部副大臣は、北朝鮮に友好のメッセージを伝えてくれるようミトロプロスに頼み、二国間海事合意書に共同漁業活動、または計画の文面を盛り込むことを示唆した。しかし、ミトロプロスがロンドンを発つ前に、すでにロンドンの北朝鮮大使はIMOの提案を平壌に伝えてあったことをミトロプロスは言った。北朝鮮は、IMOの申し出は歓迎するが、太陽政策の文脈上、IMOの提案する協同事業領域を実現するための「正しい時期ではなかった」と回答した。(公電にて、ミトロプロスはIMOが以下の領域で援助を行うことを提案した:1)捜索及び救助活動の協力、 2)主要な汚染事故に対する共同責任及び対応 3) 海上隊員の訓練を含む技術的な協力、4)2ヶ国間の海上交通における協力)

¶3. (C) 韓国外相も、北との協力強化に対するIMOの尽力の感謝の意を述べた。外相はミトロプロスに対し、「六ヶ国協議に戻ってくれ、というのが南からのメッセージだ」ということを北に伝えてほしいと頼んだ。外相いわく、北が参加すれば、すぐに核計画は廃止され、国際エネルギー機関(IEA)に承認されるだろう。また食糧、エネルギー、安全は保障され、我々は海事合意書を実効化できる、とのこと。さらに外務副大臣は、これらの条件が合わされば「これらの計画を実施するための基金設立も可能となる」、と述べた。外務副大臣は、南は米国からの圧力を感じている、とも言った。米国は、北が協議に戻るまでは、韓国に何もやらせないようにしている、と副大臣。韓国大統領は、ワシントンでのブッシュ大統領との会談の際、自分は難しい立ち位置にあるということが分かるだろう、と副大臣は言った。なので、ワシントン訪問で、韓国大統領が北からの良い兆候があるという報告ができると助かります、ということをミトロプロスが北に伝えるのがいいのであろう。

平壌にて - 米国へのメッセージ
-----------------------------------
¶4. C)ミトロプロスは、北京経由で北朝鮮に行き、外務副大臣と「最高人民会議常任委員会の委員長」と会談した。委員長はミトロプロスに、南との関係改善の試みはことごとく「外部性力」(つまり、アメリカ)によって潰されてしまっている、と言った。北は「協議、協力、和解」の理念を忠実に守ろうとしているのに、米国と同国の核問題に対する態度がそれをダメにしている、と委員長は言った。例えば、南は北に肥料50万トンを送る約束をしたが、アメリカの介入で結局送ってきたのは20万トンだった、と彼は言った。北は核計画を段階的に廃止したいと思っている、ただし話し合いを通してである。なぜならアメリカは核兵器でもって直接北を脅しているからだ、と彼は言った。Xxxxx アメリカは北と2ヶ国間の協議に入ることで誠意を見せるべきだ、と彼は言った。チェイニー副大統領の発言は中傷的で、[この発言で]アメリカが協議を平和裏に進める意志がないということがはっきりした、とも彼は言った。「あなたがアメリカの友人に会うのなら」、彼は言った「どうかこのメッセージを伝えてください ー アメリカは誠心誠意この問題を解決をしてください、と。」我々が核計画を廃止してから彼らが援助を与える、という現在のアメリカの提案はフェアではない。[廃止と援助の]両方が同時に「信頼のもと」行わなければならない、と委員長は述べた。ミトロプロスは、米国の立場をやや違った形でとらえている、と反論した。さらに、もし北がアメリカを信用しないのであれば、2ヵ国間での話し合いよりも六ヶ国協議の枠組みで進めた方がいいのではないだろうか、とミトロプロスは言った。(六ヶ国協議なら)どこかの国が約束を守らなければ、アメリカだけでなく北朝鮮の近隣国全員が交渉の席につくだろう。

印象
-----------
¶5. (C) ミトロプロスいわく、北にはほとんど何の期待もなかったのだが、北京発のボロボロのロシア製の旅客機で見た光景には非常に驚いたそうだ。飛行機の乗客率は80%くらいだったのだが、乗客の半分以上がイラン人だったというのだ。彼は、「北朝鮮へ行く飛行機がイラン人で満杯だってのに、核計画が脅威ではないって欧米に信じてもらえるなんて、なんであいつらはそんな[信じているなんて]期待ができるんだ?」と言った。ミトロプロスには、他の客は誰もいない、寝室が8部屋もある巨大な迎賓館があてがわれた。114チャンネル専用の今風のテレビもあったー ただし見れたのは国営チャンネルだけだった。彼が飛行機から降りてくると、一団に出迎えられた。そこには花を持った政府高官たちもいた。その花はミトロプロスが偉大な指導者[金日成]に「献花をしたい」だろうから用意されていた。着いたばかりで何もできないので、やるしかないと思い、ミトロプロスはTVカメラが回っている前で、金日成の銅像に花輪を置いた。すると今度は、偉大な指導者に何か贈り物をもってきていないか尋ねられた。ミトロプロス側のスタッフが、贈り物は持っていかないからということをはっきりさせておいたはずなのに。彼が港湾施設を訪れた時、この訪問のための特別な準備は何もなかったんだろうと感じたという。港湾警備体制の視察の際には、彼を護衛するような港湾警備局長も不在であった。


 ミトロプロス氏


金日成像





公電5は、正直、面白かったです。
6に彼のメモがあります。興味のある方は原文をお読みになってください♪

日本に関するリークが出てこないので、ガーディアン紙でも訳そうかなあ…

2010年12月3日

サーバー遮断、そしてドメイン停止→復活!

WikiLeaks、米アマゾンを批判
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20101203k0000m030059000c.html

DoS攻撃の次は、アマゾンのサーバー遮断…。今、サーバーはストックホルムのVita Bergen(White Mountain)の地下に移ったそうです。


こんなに堂々と公開していいのか…

http://www.youtube.com/watch?v=qwlATf9xse4


なんて思ってたら、こちらのEveryDNS.netも遮断してしまったみたいです。

「wikileaks.orgのドメインがやられた」
と、twitter上でつぶやきが。


そして今度はスイスで再開!すごいな。。。
http://wikileaks.ch/

追記:
上記のリンクも無効にされてしまいました。。8時間くらいもったんですかね。
現在、以下3つのドメインを取得したようです。


2010年12月2日

日本に関するリーク ~その4~ #09SINGAPORE529 #cablegate

 シンガポールからです。
日本に言及してある段落だけ翻訳、気になったところを太字にしました。

http://cablegate.wikileaks.org/cable/2009/06/09SINGAPORE529.html

参照用 ID: 09SINGAPORE529
作成: 2009-06-04 09:09
公開: 2010-11-29 21:09
分類: SECRET
発信元:シンガポール大使館

タイトル: スタインバーグ副長官の2009年5月30日
李光耀(リー・クアンユー)シンガポール内閣顧問との会話
分類者: Charge d’Affaires Daniel L. Shields
分類理由 1.4 (b) 及び (d).
 1. (SBU) 2009年月30日; 6:30 p.m.; 大統領官邸、シンガポール
 2. (SBU) 参加者:

米国
-------------
Glyn T. Davies副長官, Daniel L. Shields東アジア・太平洋局次官補, CDA (記録係)

シンガポール
---------
李光耀(リー・クアンユー)内閣顧問、Chee Hong Tat内閣顧問秘書長官, Cheryl Lee Country Officer[国務官?]、MFAアメリカ局長

 3. (S) 要約:スタインバーグ補佐官 は李光耀内閣顧問 との会合を利用して、北朝鮮の核問題に触れ中国との協力が重要であると強調した。また、李内閣顧問の中国及び北朝鮮に対する見方を聞き出しせた。李内閣顧問 は、北朝鮮が核を持つことを中国は望んでいないし、北朝鮮が崩壊してほしいとも思っていない、と言った。中国がどちらかを選択しなければいけないとすれば、崩壊よりも核保有の方がましだと思うだろう。中国は北朝鮮に関して何が出来るだろうと、李内閣顧問 は、馬曉天(Ma Xiaotian)人民解放軍 (PLA) 副総参謀長に尋ねた。馬将官の答えは、「彼らは自分たちだけで生き残っていける。」であった。(デービーズ)副長官は、北朝鮮が自らのアプローチを変えるなら公平で有利な扱いを受けることが出来るだろう、と述べた。さもなくば、北朝鮮は米国、韓国、日本による方針転換を迫られるだろう。李内閣顧問は、日本は「核への道を進む」と自分は考えていると言った。李内閣顧問はまた、中国経済、台湾、中国指導者、米中関係に対する考えも示した。要約終わり。

 5. (S) 中国は北朝鮮に関して何が出来るだろうと、李内閣顧問 は、馬曉天人民解放軍 (PLA) 副総参謀長に尋ねた。馬将官の答えは、「彼らは自分たちだけで生き残っていける。」であった。李内閣顧問は、たとえ中国が支援を減らしても北朝鮮の指導部は生き残るだろう、という風にこれを解釈した。指導部はすでにビルマで韓国閣僚を殺したり、大韓航空の飛行機を飛行機を撃ち落とすなどの行動に出ている。彼らが権力を失えば、ミロシェヴィッチのように、ハーグで法の裁きを受けるはめになるだろう。 彼らは長いこと孤立しすぎたために仲間がいない、ロシアでさえも仲間ではない。中国は韓国との結びつきを強め始めており、外資を誘致することにも関心があるから、北朝鮮は中国を信用していない、と李は言った。[デービーズ]副長官は、北朝鮮が自らのアプローチを変えるなら公平で有利な扱いを受けることが出来るだろう、と述べた。さもなくば、北朝鮮は米国、韓国、日本による方針転換を迫られるだろう。李内閣顧問は、北朝鮮の固執がイランに与える影響について懸念している。北朝鮮を牽制可能であり、核拡散もしないだろうが、イランは、多大な野望を持っており、イラン国外のシーア派と石油富豪とも結びついている、と李内閣顧問は言った。

 6. (S) 副長官は、北朝鮮の決定は日本において強力な影響があるだろう、と言った。李内閣顧問 は、日本が「核への道を進む」と自分は考えていると言った。中国はこれを考慮に入れてきているはずであり、緩衝国としての北朝鮮を失うより、日本の核保有の方がましであると判断しているだろう。中国は長期的な展望を持っており、数年以内に北朝鮮の現在の指導部はいなくなって新たな指導部が新たな考え方でもってやっているだろう、と考えているはずだ。だが、北朝鮮という国は存続する、と李氏は言った。

 7. (S)李内閣顧問は、アメリカ政府が北朝鮮に働きかける努力をすることを願っているが、もし北朝鮮が核兵器所有を断念することに合意したとしたら自分は驚くだろう、と言った。 第一撃能力について断念することはあるかもしれないが、アメリカ政府が体制転換の方向で決めてきた場合は核兵器所有を望むだろう。誰かお世辞を言ってくれないかとスタジアムをわざとらしく歩いている指導者の「だるだるに太ったご老人」と一緒にいて、指導部は精神病系だ。日本がシンガポールを占領した3年半を通して学んだのは、衣食や医療を与えないような権力にも人民は従うものだ、ということだと李内閣顧問は言った。

中国の台頭
------------
 16. (C) 李内閣顧問は、中国が中国のテレビドラマ『大国崛起』のやり方でいこうとしている。ドイツと日本が犯した過ちとは、既存の秩序に対抗しようとしたことだ。中国はバカではない。こういった過ちを犯すまいとしてきたのだから。中国経済は、日本とアメリカ以外の他国は追い抜いた。この2国とでも、差は縮まっている。中国は年間7~8%成長しているのに対して、アメリカと日本は2~3%だ。一人当たりのGDPではなく、総GDPこそ権力にとっては大事だ。中国には、アメリカの4倍の人口がいる。ラテンアメリカ、アフリカ、ペルシア湾でも積極的にやっている。ラオス、カンボジア、ビルマとしっかりつながっているから、数時間で、ASEAN会議での議論はすべて北京に知らされる、と李氏は言った。

中国の若い世代との関係づくり
-----------------------------
18. (C) 李内閣顧問は、アメリカと中国にとってベストなあり方は中国の若者との関係を築くことだ、と言った。中国でもっとも優秀な人間はアメリカ、で勉強したいと思っている。アメリカがダメなら英国、さらにその次が日本だ。そこで勉強している時に大事なのが、平等な扱いを受けることだ。外国人にとって必要であるような文化的支援を受けるだとかして。なぜ中国のための国際軍事教育訓練 (IMET)計画がないのだろう?ヴェトナム、インドもそうなのだが、なぜウェストポイント(米国陸軍士官学校)に中国人士官候補生がいないのか?アメリカの強みは、シリコンヴァレーのように、世界中からの才能ある人間を使うことができるという点だ。中国はいまだに、外国人を北京と上海の外に出させないようにしている気がある。李内閣顧問は、英国での学生経験があるために英国にはをいまだに愛着があると言っていた。1968年にハーヴァードで2ヶ月過ごしたときは、アメリカ人教授が感謝祭の際に彼を家に招いたらしい。こうしたことは、英国にいるときにはなかったことで、李氏は異なる文明に相対しているのだなと気がついたそうだ。将来、中国の指導部はアメリカの大学で博士やMBAを取ることになるだろう、と李氏は予見している。



李光耀内閣顧問と鳩山由紀夫前首相
 ***
李光耀(リー・クアンユー)は首相として30年以上もシンガポールの独裁政権を仕切っていた人物です。87歳の高齢にもかかわらず、いまだに絶大な影響力を持っているんだとか。

日本に関するリーク ~その3~ #10SEOUL290 #cablegate

 日本に言及している段落だけ翻訳、要点を太字にしました。
 
http://cablegate.wikileaks.org/cable/2010/02/10SEOUL290.html

参照用ID: 10SEOUL290
作成: 2010-02-22 08:08
公開: 2010-11-29 21:09
分類: CONFIDENTIAL
発信元: ソウル大使館

要約
-------
¶1. (C) 2月3日の会合で、金星煥(キム・ソンファン)大統領外交安保首席秘書官は キャンベル東アジア・太平洋局(EAP)次官補に、韓国政府はワシントンと、予定されていた戦時作戦統制権[訳注:有事の際の指揮権]の韓国への移譲 が遅れていることについて話し合いを持ちたいと思っている、と伝えた。米中関係のゴタゴタは、北京が6ヶ国協議の新ラウンドを呼びかけるのをためらっているところにある、ということに金氏は同意した。しかし、北朝鮮の交渉人、金桂冠(キム・ゲグァン)が来週北京を訪問するのはいい兆候だ。北朝鮮国内の状況はさらに不安定になっているようだから、金正日は経済支援を得るために中国に行かなければまずい、と金氏は断言した。岡田外相や菅財務相のような、民主党の重要人物に直接接触することが大事である、ということを金氏は認めた。金氏いわく、北朝鮮は明らかに「民主党のドアをノックする」ためにいろいろなルートを使っている。米韓自由貿易協定(KORUS)がアメリカ国民に支持されるよう、李大統領が米国にある韓国系の工場の視察に来るかもしれない。朝鮮戦争60年目ということで、オバマ大統領と李大統領がワシントンの鮮戦争戦没者慰霊碑をダブル視察するのはどうか、と金氏は提案した。キャンベル氏は、北朝鮮で戦闘中に行方不明になった者(MIA)の遺体収容作業を再開する米国の計画について、韓国の理解を求めた。金氏は、李大統領が平壌でサミットを「買う」ような決してないと強調した。
要約終わり。


日米関係
--------------------
6. (C)金氏は、民主党が自民党と「全くちがう」というキャンベル氏の評価に同意し、また、民主党[訳注:DPJをDJPと誤記?]は北朝鮮に予備交渉をする際にソウルとワシントンと調整することが重要だ、という点にも合意した。金氏いわく、北朝鮮は明らかに「民主党のドアをノックする」ためにいろいろなルートを使っている。岡田外相や菅財務相のような、民主党の重要人物に直接接触することが大事である、ということを金氏は認めた。







← 金星煥(キム・ソンファン)現外交通商相

アフガン派兵と選挙支援【スウェーデン】 #cablegate

現在UPされたリーク公電は593通!

スウェーデンの社会民主党(Socialdemokraterna)が選挙で有利になるようにアメリカと取引をしようとしたことも明らかになりました。
なんと、選挙で社会民主党を支援してくれたら、その見返りにアフガニスタン派兵を支持するというような内容だったそうです。

 Urban Ahlin

(2008年頃、社会民主党は党内で派兵についての意見が分かれていた。一般の党支持者はアフガン派兵には懐疑的であった。そこで、党内では右寄りのUrban Ahlinが駐スウェーデン米大使と、取引の会談を行った。)


連立を最近解消した左翼党の党首は「国内の問題を外国の力を借りて何とかしようとするなんてあってはならない。」と批判したそうです。そりゃそうか。

(参照: Washington skulle hjälpa S

とは言え、現在の与党、穏健党(Moderaterna) はアメリカから「前の政府よりずっとやりやすい」とお墨付きを頂いた、親米政府だということも忘れずに。
スウェーデンはNATOには入っていないにも関わらず、事実上は一緒に仕事ができるくらい仲良しみたいです。

(参照: USA-bekraftar-svensk-Natokoppling

 外交に関しては「人道的」と比較的評価の高いスウェーデンですが、やはりアメリカとしっかり結びついていました。
でも、建前を取り繕うとするだけ、日本よりはマシなのかもしれません。

2010年12月1日

「沈黙と嘘」が命を奪う

1971年、ペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム戦争に関する極秘報告書)をリークしたダニエル・エルズバーグ(Daniel Ellsberg)という人がいる。



http://www.bbc.co.uk/news/world-11879951

Speaking to BBC World Service, Mr Ellsberg disagreed with US Secretary of State Hillary Clinton's statement that the latest leaks could endanger lives.
"That's a script that they role[rollの間違い?] out every time there's a leak of any sort," he said.
It is not leaks, but "silences and lies" that put peoples' lives in danger, he believes.
【訳】
エルズバーグは BBC World Serviceに語った。エルズバーグ氏は、ヒラリー・クリントン米国国務長官が言うリークは人命を危険にさらしかねないという意見に異議を唱えた。「国務長官の言葉は、何かしらのリークがあると決まって連発するいつもの台詞だ」と、氏は言う。人々の命を危険にさらすのはリークではなく、「沈黙と嘘」である。


私はこの人も ペンタゴン・ペーパーズのことも知らなかった。
Wikipediaで見ただけだけど、泥沼化したヴェトナム戦争続行の動機の

70% – 屈辱的な米国の敗北を回避するため
20% – 南ヴェトナム一帯を中国の手に渡さないため
10% – 南ヴェトナム人民のより良い、より自由な生活のため

だそうな!
70%が面子のための戦争…。

そういえばWikipediaの創設者はWikiLeaksとごっちゃにされたらたまらん!って怒ってるらしい。WikiLeaksを「人民の敵」とまで言ってます(汗)
“I consider you enemies of the U.S.—not just the government, but the people.”
 http://twitter.com/lsanger/status/8617774721015808

[追記]
リークは危険なのか、という議論に関してはTassaの応援宣言を参照してください。